ebekoです。


近所のゲオに「白い巨塔」のDVDがあったので借りてきた。
私の世代だと唐沢寿明、最近だと岡田准一が主人公をやってたが、私が借りてきたのは、1966年の映画版だ。


白い巨塔



主人公を演じるのは田宮二郎。ライバルを演じるのは田村高廣(田村正和の兄)。
上司の東教授役に、東野英治郎(初代水戸黄門)。

そして画面はモノクロ。
昔の役者の気迫があふれた、迫力のある作品だった。




とはいえ私は白い巨塔を全然見たことがなかったので、ほぼ初見。
知っているのは大学病院での話で、主人公が財前という名前、くらいのもの。

で見てみたら、主人公財前、めっちゃ嫌なやつ


助教授なのにスター気取りで、上司の許可もなく手術中の写真を記者に撮らせたり(そんな医者がそもそもいるのか)、自分の技術に酔いしれて「どれだけ早く手術を終わらせられるか」のみを重要視して。

それをライバルの里見や上司の東は叱責するのだが、聞く耳持たず。
で東が退職するというので、次期教授になるために人脈を駆使したり、なんなら実弾を積んだりもする

そんなことばかりしていれば東にも見限られるし、医学を突き詰める研究者肌の里見の溝も深まるのも当然って感じ。

てっきり見る前までは、部下の人気と技術に嫉妬する嫌な上司と、研究ばかりしている出世を狙う気障なライバルと戦う財前、だと思ってた。
ストーリーの中で、悪役なのは完全に財前の方でした。政治力で出世しようとするのもこいつ。




で自分の名声と実績ばかりに目がくらんだ結果、最終的に医療ミスで裁判を起こされるわけだが
もっというと最後に自分が癌になって死ぬのだが、この映画版ではそこまで描かれてない。

正直「自業自得だな」と思ってしまう。


さすが田宮が、原作者である山崎豊子に「里見のほうが人気なんですが、なんとかなりませんか」と相談しただけある。
そりゃこんな主人公人気出るかよ




しかし田宮二郎が出てくるたびに、「この人、後に銃で自殺するんだよなあ」とずっと思ってしまう。
それくらいそのイメージしか残ってない。