ebekoです。



図書館で「日本経済の強さがよく分かる 」という本を読んだ。
ただし出版されたのは1990年(つまり書かれたのは1989年とか)だから、日本経済がバブルで調子良かった時だ。 

序盤では、当時世界で50%以上のシェアを誇っていた、半導体に焦点を当てている。






そして当時景気が良かったせいか、著者は今後の半導体産業についてだいぶ楽観視をしている。
一部抜粋すると、


・「現在エレクトロニクス産業はその強さを世界に誇っておりますが、研究開発投資などの現状を考えますと、力強さは増すことはあっても近い将来失速することは考えられません

・「30年、50年という将来は別にしても、5年や10年で「日が沈む」ということは考えられません」

・「アメリカのIC産業はICの専業メーカーであるが、日本のICは総合電機メーカーによって作られている。…(中略)…専業メーカーは不況の到来とともに生産を縮小し、従業員の一部はレイオフされる。…(中略)…従業員をレイオフしつつ現状を乗り越えようとする段階で、未来の利益のための研究開発など強力に推し進められるはずはない

・「日本のIC生産企業は総合性のため、不況の影響は専業企業より受けにくいので将来の研究開発も持続することが出来る



……と書いてあった。
その後、5年足らずでバブルは崩壊して、この著者の予想とは違う方向に進むわけだ(半導体産業自体は10年程度は耐えたが)。




ちなみに約5年ごとの半導体シェアランキングの変遷はこんな感じ。
(この書籍のほか、「ポジテン」、「EE Times Japan」などのサイトを参考にした)


半導体シェア

80年代後半には国内企業で世界の50%以上のシェアを握っていたのが、2000年代中ごろには27%になり、2020年以降はシェア順だと10位以内にすら一社も入らなくなった

10年では沈まなかったが、30年で沈んでしまった。






近年書かれた別の本に、その衰退の原因が指摘されていた。
先ほどのが日本のIC産業の長所なら、こちらでは短所を書いている。


その原因を要約すると、

日本は専業メーカーではなく、総合電機メーカーの一部門が製造を担っていた。その後(不景気で)利益が出なくなったり会社そのものの経営が悪くなったら、真っ先に予算を削られたり切られてしまったため

と書いてあった。


……結局専業メーカーも総合メーカーも一長一短なんだな、と思った。
そして「不景気でも大丈夫かどうか」なんて、その時にならないと分からないのだ。